税金を減らすために。
財産を隠すために。
効率よく財産を増やすために。
海外に資産を移される方は実に様々な理由をお持ちです。
高利回りと日本円のみを保有するリスク回避という観点だけでも私は海外への投資を否定する理由はないと考えています。
海外に資産を持つ方に悪いイメージがあるのは、所得の申告漏れが圧倒的に多いという理由が一つの要因ではないでしょうか。
2018/10/15付の日経新聞にて、国税庁が約50カ国の国、地域にある日本人の口座情報約40万件を入手したとありました。
日本では国外に5千万円超の財産を持つ場合は、国外財産調書という書類の提出が義務づけられており、
今後国税庁はこれらの書類と海外の口座情報を照合していくものと考えられます。
口座情報が入手できれば、申告漏れを見つけることが容易です。
突然国税からお尋ねがくる方が増えることは想像に難くないでしょう。
国外財産調書の提出漏れや虚偽記載は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
さらに、提出していない場合には申告漏れによる税額の10%~35%が罰金として徴収されます。
国外財産調書を提出されている方でも、海外の金融資産については申告漏れに気づいていない方が多くいます。
例えば以下に該当するようなお考えの方は今一度、申告義務の有無を検討されることをお勧め致します。
1.海外の金融資産は日本円に送金しない限り国税は把握できないだろう
2.海外の不動産は賃貸、譲渡しても日本は把握できないはず
3.海外の証券会社等に資金を預けて運用してもらっており、資金は口座内で動いているだけなので申告しなくても大丈夫だろう
4.私は国籍が外国なので、日本では海外の資産は申告しなくても問題ないだろう
5.海外の信託会社経由で投資しているので、分配金を受け取らない限り申告する必要はないだろう
海外資産が絡むと日本の税制、租税条約、海外の税制を把握する必要が発生し、正確な取り扱いの判断が途端に難しくなります。
次回以降のブログでは一つずつ掘り下げたいと思います。