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国際税務2022.08.03 輸出してるのに免税にならない!?~輸出の注意事項~

海外へ商品を輸出する場合、売上に係る消費税が免除されます。そのため、国内で仕入れた商品を国外に輸出する場合、仕入の際に支払った消費税が消費税の還付申告をすることで、還付されます。しかし、輸出の際の対応を間違えると輸出として認められず、消費税還付を受けられない可能性があるため、その注意点について確認していきます。

 

1.輸出免税の要件とは?


 

輸出免税の適用を受けるためには、取引に応じて、その取引が輸出取引であることが証明できる書類の保存が必要となります。

(1)通常の貨物輸出の場合
輸出許可書(税関長が証明した書類)

(2)郵便物として輸出する場合
輸出価格が20万円超と20万円以下とで異なります。
①20万円超の場合
輸出許可書(税関長が証明した書類)
②20万円以下の場合:令和3年10月1日以後の取引の場合
郵便物の引受証」及び「発送伝票等の控え
通常郵便物の場合は、発送伝票等の控えのみの保存

 

2.通常の貨物輸出の場合の注意点


 

通常、輸出許可書の輸出者と実際の輸出者は同じかと思います。この場合は、上記1の通り、輸出許可書のみの保存で問題ありません。

しかし、輸出代行業者を利用する場合は、輸出許可書の輸出者には「輸出代行業者の名前(名義貸しに係る事業者)」が記載されており、実際の輸出者の名前が記載されておりません。そのため、輸出許可書のみの保存では、実際の輸出者が商品を輸出したという証明にはならず、輸出免税の適用は受けられません。

この場合、「消費税輸出免税不適用一覧表」を作成し、輸出代行業者(名義貸しに係る事業者)へ交付する必要があります。消費税輸出免税不適用一覧表とは、名義貸しに係る事業者に対して輸出免税制度の適用がない旨を連絡するものです。言い換えれば、自社が実際の輸出者であること、輸出免税制度の適用を受けることを証明するものとなります。

 

輸出代行業者を利用した場合には、輸出許可書の原本を保存するとともに、輸出代行業者に対して消費税輸出免税不適用一覧表を交付し保存する必要があります。

 

3.郵便物として輸出する場合の注意点


 

郵便物として輸出する場合とは、具体的には、小包郵便、EMS郵便、通常郵便をいいます。上記1でお伝えしました通り、郵便物として輸出する場合は輸出金額が20万円超か否かで必要な保存書類が異なります。

20万円超の判定は、原則として郵便物1個当たりの価額によります

しかし、郵便物を同一受取人に同一日に2個以上に分けて差し出す場合には、それらの郵便物の合計額によります。

1個ずつの郵便物が20万円以下であっても、同一日に同一人に対して差し出している郵便物の合計が20万円超である場合には、輸出許可書が必要となりますので発送の際にご注意ください。

 

4.まとめ


 

税務署も、消費税の還付申告には非常に慎重ですので、消費税の還付申告をする際には、輸出に関する書類の適切な保存が重要となってきます。

いざ、税務調査が入った時に輸出免税の適用を受けることができないとならないよう、取引の際には注意しましょう。

 

 

 

あすか税理士法人

【スタッフ】渋谷優果