第70回税理士試験が近づいてきました。
運営側の努力により、会場を分散しつつ、かつ入り口での検温等を行うことで、税理士試験は開催予定となっています。感謝ですね。
受験生においては、今年は例年以上に体調管理が非常に重要なファクターになりそうです。Blogを見て下さっている皆さまが万全な体調で試験に臨むことが出来る事を祈っております。
さて、試験が終わったら就職活動をされる方も多いと思います。
『就職活動は人生の岐路です』
一生懸命勉強して税理士登録出来たとします。
登録後の税理士人生は『勤めた事務所によって180度変わります』。これは断言できます。
めちゃくちゃ大切なんです。
是非時間を掛けて一生懸命、勤めるべき事務所を見極めて頂きたいと思います。
今年は専門学校主催の就職面談会の一部が中止になっているなど、例年とは異なる就職活動となりそうです。
そんな就職活動をされる方にとってプラスとなる情報提供が出来ればと思い、このBlogをお届けします。
まず、税理士事務所はその形態として「税理士法人」と「個人事務所」の二つがあります。
双方とも税理士業務を行う点は一緒で、違いは次の点です。
税理士法人:2人以上の税理士による共同経営(無限連帯責任)
個人事務所:個人経営
税理士法人の最大のメリットは「顧客が法人に付く」ことです。
例えば、個人事務所の担当税理士が引退したとき、後継者が事務所内にいれば顧客の引継ぎが出来る可能性がありますが、仮に後継者がいなければM&Aをする必要があり、それも上手くいかなければ廃業もあり得ます。そうすると顧客は困りますよね。
税理士法人は必ず複数の税理士が社内に登録されているため『担当税理士の不測の事態に即対応出来得る』ことは顧客にとっても大きなメリットだと思います。
また、複数の税理士を抱えていることにより『業務の幅が広い』のも特徴的です。
個人事務所の最大のメリットは『所長のカラーが反映されやすい』ことです。
その先生の考え方や行動に共鳴できる場合は、非常に働きがいのある場所になるでしょう。いわゆる「濃い事務所」は個人事務所の方が多いかも知れません(完全に私見です)。
SNS等を見て『この人と仕事がしたい!』という方向性がハッキリしている方に向いていると思います。
なお、税理士法人と一口に言っても、組織的に運営されている事務所もあれば、実質的には個人事務所と変わらないケースもあり様々です。
面接時に「事務所の方針決定等はどのようになされているのか」ヒアリングしてみると、どの程度組織化された税理士事務所なのか推し量ることが出来ると思います。
まとめると、こんな感じです。
✔ 一人の師匠にトコトンついて行き、その師匠が引退した折に顧客の引継ぎを受けたいなと思う方は個人事務所向き
✔ 組織的に力を発揮することで、専門性が高い、又は規模の大きな仕事にもチャレンジしたいと思う方は税理士法人向き
これは受験しながら働く方にとっては非常に重要な問題となります。
事務所によって対応はマチマチなので、ご自身にあった事務所を探すことが大切です。
一例ですが次のようなタイプの事務所があります。
・残業時間ゼロにより平日勉強をバックアップしている事務所
・雇用形態を二つに分けて受験者をバックアップしている事務所
・仕事と勉強を別のモノと考え、仕事についてはガッツリ残業もある事務所
・従業員に受験生がいないため、特に対策を講じていない事務所
また、残業時間ゼロの事務所は更に次の二つに分かれます。
・仕事を与えた上で業務改善を重ねて残業ゼロ
・業務量を調整して残業ゼロ
受験しながら働く方はズバリ「従業員に受験生がいる事務所」「業務改善により残業時間がコントロールされた事務所」で勤めることをお薦めします。面接時にヒアリングした方が良い点です。
「受験生がいるのか」「合格状況はどうか」。
この二点を聞くと、事務所の受験生に対する考え方が少し掴めると思います。
また、大学院免除を検討されておられる方については、対応が事務所により実に様々ですので、院免除に対する事務所のスタンスを事前に知っておくことが大切です。
・大学院免除を強く推奨する事務所
・大学院免除を容認している事務所
・大学院免除を容認しない事務所
ご自身のライフプランに合った事務所を探す。凄く大切なことです。
ホームページはどこの事務所の綺麗に作ります。是非事務所に赴き、ナマの声を聞いてみることをお勧め致します。
ちなみに弊社のリクルートサイトに二本のスタッフインタビュー動画があります。
お時間がある方は一度見て頂けたら嬉しいです。
【税理士受験組スタッフのインタビュー】
【大学院進学組スタッフのインタビュー】
アナタは「こんな税理士になりたい」「こんな仕事がしたい」といった具体的なイメージはありますか?
具体的にやりたい仕事が決まっておられる方は、その道に専門特化した事務所を選択肢に加えましょう。
専門特化型事務所は、その専門業務を扱う仕事のボリュームが違いますし、結果としてノウハウも溜まります。これはその道で進みたい方にとっては非常に重要な魅力でしょう。
ただ「大学(院)でこんな勉強をしたから、受験勉強で興味を持ったから」その専門家に!と思った方は、本当に専門特化型の税理士になりたいと思っているのか、今一度検討してはいかがでしょうか。
私は「かなり強い意志で専門特化型の税理士になりたい」と気持ちが定まっている人以外は、一旦オールマイティーな事務所に勤めた方が良いのでは無いかと思っています。
事業承継・組織再編・国際税務・相続税・医業・ベンチャー企業・バックオフィスサポートなどなど。
税理士のフィールドは非常に広く、当初考えておられた専門分野より更にやりたい業務が転がっているかも知れません。
会計事務所の面接で必ずと言って良いほど聞かれる質問。
『どんな税理士を目指していますか?』
その正直な答えが、アナタが専門特化型事務所へ就職すべきなのか、オールマイティ型事務所へ就職すべきなのかの答えに結びつくように思います。
ちなみに私たち あすか税理士法人 は、ベースをオールマイティー型にしつつ、いくつかの専門分野を持つハイブリット型で、図にすると次のイメージです。
出展:あすか税理士法人 2020年夏就職面談会資料より
税理士事務所による様々な違いを中心に説明してきましたが、これは就職すべき事務所選びを考える上で知っておくべき重要な点ばかりです。
これらを踏まえ、アナタの気持ちやライフプランを書き出すと、マッチする税理士事務所は限られてくる、と私は思います。
✔ 個人事務所か、税理士法人か
・一人の先生にトコトンついて行きたいなら個人事務所
・幅広く経験したいならば組織的に動いている税理士法人
✔ 税理士試験の進捗具合
・残業の有無により、合格に必須な勉強時間確保が出来るかどうかが大きく左右される
・一緒に働く仲間に受験生がいるのか?合格者はいるのか?
✔ どんな税理士になりたいのか
・特化したい専門分野が明確なら、その分野の専門特化型事務所へ
・決まっていないなら、幅広く業務を扱っている事務所へ(ある程度人数が多い事務所へ)
✔ どうやって見極めるか
・HPの閲覧だけで理解するのは難しい
・必ず経営者のナマの声を聞くようにする(ZoomやSkypeなど、訪問無しで対応してくれる事務所も多いと思います)
「行動」することが大切です。
私たち あすか税理士法人 では、ご希望の都度、事務所見学会や会社説明会を実施しています。原則来所の上開催ですが、コロナウィルス感染症の影響も鑑みてSkypeやZoomでの対応も可能です。
まずはお問い合わせ下さい。
皆さまが、自身にあった税理士事務所・税理士法人に出会える事を心より願っております。
そして、企業の発展に一緒に貢献していきましょう!!!
あすか税理士法人
【国際税務担当】高田和俊
プロフィールはこちらをご覧下さいませ。