所有していた不動産を売ったときに発生した譲渡益、どうにか圧縮できないものでしょうか。
昔から所有していた不動産を売却した際には多額の譲渡益が生じることが多々あります。(購入価額が今の物価で考えたときには格安なため)
せっかく手にした売却金も決算を迎えれば税金としてだいたい3割は持っていかれてしまいます。
でも実は不動産の譲渡益については課税の繰延べや特別控除などの優遇税制がたくさんあります。
その優遇税制のうち特に有名なものを数回に分けてご紹介したいと思います。
No1.収用があった場合
国が道路拡張のために土地を強制的に買い上げてきた・・・こういったケースに遭遇してしまった場合税金はどうなるのでしょうか。
確かにお金は入ってきますが強制的に土地はとられる、税金もとられるではあまりに気の毒ですよね。
ですので国は譲渡益のうち5千万までは税金をかけませんよという制度を作ってあります。
この制度を使えば、
1千万で買った土地を1億で売った。譲渡益は9千万だが5千万の特別控除を差し引いた4千万に対してだけ税金がかかる。
ということになります。
売ったお金で別の不動産を買うと「圧縮記帳」という別の特例も受けることができます。(ただし、上記の特別控除との併用はできません)
これは譲渡益を将来に繰り延べてもいいですよという特例です。
この制度を使えば、
1千万で買った土地を1億で売った。譲渡益が9千万発生。ただし、売却金の1億で別の土地を買ったので手元にお金は残りません。だったら譲渡益9千万は一旦なかったことにしてあげますよ。
ということになります。
この制度を使うと新しく買った土地の取得価額が1千万(購入価額1億-譲渡益9千万)となりますので、将来この土地を1億で売った場合には9千万の譲渡益が発生します。
即ち、「譲渡益を将来に繰り延べる」ということになります。
上記制度は法人個人共に利用することができますが、利用するためには色々と細かい条件の確認や書類の準備が必要となります。
またこういった特例は税制改正の頻度が高いのも特徴ですので専門家にサポートをお願いすることをおすすめします。
あすか税理士法人
【国内税務担当】高田和俊
プロフィールはこちらをご覧下さいませ。