今回は久しぶりに海外出張ブログを書きたいと思います。
コロナの影響で海外出張を控えていましたが、今年から再開です。秋には新しいエリアを開拓したいと思っていますが、まずは1月に中国出張(蘇州市)に行ってきたので、そのご報告を。
出張の目的はクライアントの海外子会社の財務チェックで、日本サイドと海外子会社の数値が合致しているか、また在庫は正常かなどを確認するために赴きました。
弊社のクライアントはアパレル製品を日本企業に販売する製造卸売業を営んでおられます。
同社は中国に製造のための子会社を設立され、場所を上海から蘇州に移しながら約30年間現地法人を運営されています。
創業者は中国子会社の設立当初からマナー教育を徹底されたそうで、執務室は非常に整理が行き届いており、また現地の皆様が笑顔で私たちを迎えて下さったのが非常に印象的でした。
その他、中国の周辺国に製造のバックアップを担ってくださる工場があり、安定的な協力関係を構築されています。
目的地は上海浦東国際空港から車で約2時間の所にあります。高速道路は車線数が非常に多く、渋滞に捕まること無くスムーズでした(高速道路や時間帯によっては渋滞があるそうです)。
運転手の方は日本語や英語が話せない方だったので、翻訳機を利用しての会話にチャレンジしましたが、Wi-Fiを利用する器機で、翻訳スピードが速いとは言い難かったため、会話は早々に断念しました。。
私は大学の第二外国語で中国語を選択(ご多分に漏れず、有気音・無気音に苦戦)していましたが、単語単語で少しだけ聞き取ることが出来、また自分の言葉も少し伝わったのがすごく嬉しかったです。
学生の皆さん、もし第二外国語を学ぶ機会がある場合、一生懸命勉強するときっと後ほど役に立つ日が来ます!!
さて、本題に戻って今回の出張で実施したチェック内容をまとめていきます。
今回はクライアントから中国子会社の様子を確認して、気になる項目があればピックアップして欲しいとのリクエストでしたので、下記を当方から提案し実施しました。
・現地工場視察
・親会社向け報告資料の概括確認(信憑性・妥当性確認)
・親子間における貸借項目の金額合致確認
・在庫数値確認
・月次粗利検討のための経費の固変分解(限界利益率算出)
皆様ご存じの通り、中国は「発票(ファーピャオ)」が非常に重要で、経理処理に必要な資料はかなり古いものまで整然と保管されています。日本以上に必要な資料は厳密に保管されているイメージです。
在庫のお話など、資料閲覧だけでは内容を理解するのも困難ですが、日本語で丁寧に対応して下さる現地の方がいらっしゃったお陰様で、流れを理解することができ、在庫金額について概ね問題無いことが確認できました。
また海外子会社(中国)が親会社(日本)のために作成している報告資料が、昔のフォーマットのままで少し分かりづらかったため、分析を行いより見やすいフォーマット、計算方法を検討・提案しました。
「より詳細に現地データを把握したい」「現地の負担を軽くした上で欲しい情報を独自に入手したい」というニーズがある場合は、海外子会社の会計データを日本語で閲覧出来るシステム(後述します)もありますので、それらのシステム利用も是非検討頂くのが良いと思います。
出張を通して、現地の会計ソフトを現地で拝見し、必要な照合作業を行いました。
当然現地でしか見ることが出来ない資料があり、また現地の経理責任者の方とも面識を得ることが出来るので、オンラインでは得られない有益な情報、意思疎通が沢山得られました。
ただ、頻度高く現地を訪問することは日本親会社にとって経済的にも時間的にも負担が小さくないことだと思います。
また、海外子会社の経理状況について現地にお任せ担っているケースも多いのでは無いでしょうか?
例えば債権が焦げ付いてから対応を検討する、よく分からない会計科目・会計処理があるなど、日本国内では考えづらい管理体制になっているケースも散見されるように思います(今回訪問させて頂いたクライアント様はほぼ毎月現地へ渡航されているため、管理監督が行き届いているように感じましたが、レアケースかなと思います)。
そこでお勧めしたいのが、ビジネスエンジニアリング社の「GLASIAOUS(グラシアス)」です。
グラシアスはクラウド型の国際会計ERPサービスで、「会計システム」としての利用がメインですが、「モニタリング機能」もあり、このモニタリング機能単体で利用できるのが特色です。
モニタリングは、現地の会計仕訳(データ)を現地通貨(言語)のままグラシアスに取込み、日本円(日本語)で試算表や元帳を見ることが出来る機能です。
日本に居ながらにして、現地の帳簿を日本語で閲覧出来る感覚ですね。
現地からの報告資料が分かりづらい、見たい情報が表示されていない、といった不安がある会社様は検討の価値があるように思います。
詳細はこちらを参照してみて下さい。
海外での不正会計や不良債権の抑止力としても利用価値があるように思います。
私は10年前にも同じクライアントのご依頼で、同じ中国子会社に訪問させて頂きました。
10年前のイメージを持ちつつ訪問したところ、大変驚くことが多数ありました。
・街が綺麗(ゴミが落ちていない)
・道路にカメラが多数設置されている(治安がいい)
・現金決済の少なさ
・ビジネスホテルの充実具合
以下、写真を交えながら現地の様子をご案内します。
特に現金決済の少なさは今回の出張で一番の驚きでした。私はWe Chat Payを利用しました。事前に日本国内で諸々の設定をしてから訪問することをお勧めします(パスポート情報を載せたり写真を申請したりで承認まで1日程度は要します)。
出国前に日本国内で利用しようとするとエラーに、、、
中国人のIDが無い方は日本国内では利用出来ず、中国国内でのみ利用できるとのことでした。
空港では指紋登録が必要となりますが、お勧めは現地のイミグレーション通過前に機械で指紋登録しておく方法です。イミグレーションの通過がスムーズになります。
空港から車で会社まで送っていただきましたが、大きなマンション群がいくつもあり、建設中のビルが本当に多かったです。
仕事に入る前に、子会社工場の中を見学させて頂きましたが、皆様忙しく働かれている中で綺麗に整理整頓されている印象を持ちました。
宿泊したホテルですが、本当に綺麗でした!
朝食はビュッフェスタイルでチャレンジするか悩む食材もありますが、保守的に行きたい人も安心して食べられる食事内容でした。
夜は夜景スポットである山塘街に連れて行って頂きましたが、本当に綺麗で若者の熱気がすごかったです!
最後に現地で見かけた無人トラック!車の窓が真っ暗で実際に走っている姿を見たのは衝撃的でした。
海外出張は得るものが多く、刺激もいっぱい受けるので私は好きです。
年内に他の国地域にも訪問予定ですので、また訪問した際にはブログを通して皆様にお伝えできればと思います。
あすか税理士法人
【国際税務・国内税務担当】高田和俊
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