2017年7月に国外転出時課税制度が導入されて2年が経過しました。
出国から5年(延長すれば10年)以内に帰国する等すれば課税が免除されますが、帰国までの間は「猶予制度」を利用する必要があります。
この猶予を受けるためには「担保提供」が必要です。
今回はこの「担保提供」に上場株式を利用した時に発生した問題点をお伝えしたいと思います。
ここからの話しは東京国税局管内のお話です。その他の国税局管内につきましては異なる取扱いとなる可能性がございますのでご注意下さい。
東京国税局管内では、従前「みずほ証券」様に口座を持っていないと担保提供が出来ませんでした。
国外出国前から口座を保有する納税義務者の方は良いですが、そうで無い方はどうでしょうか?国外出国後に口座を開くのは大変です。
そもそも国が特定の証券会社のみを指定している事実に違和感を感じました。
この状況の改善を目的として東京国税局管内の税務署長宛に「要望書」を提出いたしました。
提出当初はリアクションがありませんでしたが4ヶ月ほどたったある日、税務署から『みずほ証券様以外にも「SMBC日興證券」様と「野村證券」様も担保提供口座として利用可能になった』旨の通知を頂きました。
今回のケースは要望書が功を奏したのかどうかは定かではありませんが、税務署より取扱い変更の通知を頂いたことから、一定の効果があったものだと思います。
あるべき形に是正され良かったと思う気持ち半分、対応に時間がかかってしまったなと残念な気持ち半分です。
課税上弊害があると思われることはキチンと伝えれば対応されることが改めて分かりましたので、私たち税理士は積極的に税務当局に伝えるべきだと改めて感じました。2017