最近よく移住先の候補として問い合わせを頂くのがドバイです。
法人税は9%、所得税は「ない」という国です。
税金については非常に魅力的な国ですが、実際の住みやすさはどうでしょうか。
ドバイ移住、ドバイ進出をサポートされている「岡本信吾公認会計事務所」の岡本先生のお話も踏まえてご紹介したいと思います。
1.ドバイの主な税金の特徴
・2023年6月1日移行の会計年度より法人の課税所得について9%の法人税がかかるようになりました
・ただし、年間所得37万5千ディルハム(約1,500万円)以下の小規模事業者は課税の対象外(37万5千ディルハムを超えた額に9%の課税)
・UAE国内でビジネスを行っていない外国投資家や投資に対するキャピタルゲイン、配当についても免税
・個人の所得については所得税がないので課税されない
・フリーゾーン企業は基本的に外国(ドバイ国外)と取引がある企業のため100%外資で設立可能、法人税は免税となるが申告は必要
・ドバイ国内との取引がある場合は法人にUAE国籍の人が50%以上の出資が必要
・付加価値税(VAT)は5%
・物品税はたばこ(100%)、炭酸飲料(50%)、エナジードリンク(50%)
2.旅行記
お会いした岡本先生はクライアントに寄り添ったサポートをされている印象を強く受けました。
ドバイの入り口から会計・税務以外のことまでお手伝いされており、フットワークも軽い方なので安心して相談できると思います。
現地のお話をお聞かせ頂いて面白かったのは、以下のような点です。
・ヒンディー語とウルドゥー語は文字が違い、右からと左から書く方向も違うにもかかわらず喋ると同じ
・人種によって給与水準が違う(日本よりは少し低いが大きくは水準が変わらない印象でした)
・パキスタン人の割合が多い(全体の20%くらい?)
・社会保険は最低限加入し、病院で面談し何割負担を決めるということもある
・不動産は年払い
・インド人・パキスタン人は報告をしない。時間を守らない。与えられた仕事をしているんだからいいでしょというスタンス
・コミュニティがそれほど多くあるわけではないので、移住した方は孤独に感じる部分も多いかもしれない
・小規模特例を使うと租税条約の適用が微妙になるためあえて納税する方もいる
・小規模特例を使うと欠損金の繰り越しができない(そうでない場合の欠損金の繰り越しは無制限)
・お金を動かすことが困難。日本ではドバイからの送金を受け付けてもらうことが難しい。
ドバイを散策していて感じたのは本当に暑い。それなりに湿度もあります。11月以降は涼しくなるようですが私が行った10月月初は40度近くありました。ドバイは砂漠を開発して作った街であり、一つ一つの建物が大きく、そして高いという印象です。
誰もが見たことのある有名な観光地を海を埋め立てて作るというアイデアと資金力は日本では真似できないと感じます。
アルコールは登録している人しか購入ができないというのは本当で、街中のスーパーを色々と回りましたが全く置いていませんでした。エナジードリンクは種類が豊富でしたが、、
ただ、登録さえすれば日本とそれほど変わらない値段で購入できるようです。アルコールが飲めるお店のお酒は日本の2~3倍くらいはする印象で、かなり高いです。
ドバイでサポートされている方は皆さんおっしゃいますが、ドバイはしっかり仕事をするには向いているが、娯楽を求めての移住には向かないとのことです。
確かに短期間の旅行はそれなりに楽しめますが、私も恐らく飽きてくる印象を受けました。
いかがでしょうか。
税務面では所得税がない、法人税も免税事業者となればゼロなので税制面では非常に有利な国であることは間違いありません。
一方で税金がないということは租税条約の適用がなくなることから日本に何らかのビジネスを残して行く方には不利に働くことも発生するでしょう。
日本とドバイ双方でビジネスをお考えの方は移住前に専門家に相談することをお勧めいたします。
ドバイ旅行記その1でした。その2以降では進出企業の情報や不動産の情報などをお伝えできればと思います。
あすか税理士法人
【国際税務担当】街 有帆
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