日本のマーケットへ参入しようと考えた時、どの形で進出するのがベストなのか?
外国企業はまずこのことを考えると思います。
実際、外国企業はどのような形で日本へ進出しているのでしょうか。
オーソドックスな形態として、以下の3つが考えられます。
1.駐在員事務所
2.支店
3.子会社
ここで考えるべきは、日本で何をするかです。
もし日本で営業活動(収益を生む活動)をしない。
具体的には日本で以下の活動のみを行うのであれば駐在員事務所がベストです。
・親会社のための資産購入のみを行う
・資産の保管のみを行う
・親会社への情報提供のみを行う
・日本の市場調査のみを行う
駐在員事務所であれば、日本で登記する必要がなく、かつ、収益を生まないことから税金も課税されません。
つまり、駐在員事務所は場所さえ確保できれば自由に作れます。
税金が課税されない理由は、【PEなければ課税なし】
という国際課税の格言に基づくものです。
上記の補助的な業務のみを行う事務所はPEとは認定されません。
※ただし、日本では税制改正がありました(2019年1月1日開始事業年度より適用)。
その事業所で行う業務自体は補助的なものであっても、その企業の事業遂行にとって補助的でない場合はPE認定するとされました。
例えば、インターネットで物販を行う事業者の受注は海外本社で行うが、配送業務のみ日本の事務所が行う。
この場合、配送業務はその企業の一体的な業務の一部として、日本の事務所がPE認定される可能性があります。
駐在員事務所のデメリットは日本で銀行口座を開設する、オフィスを借りるといったことに結構な手間がかかるという点です。
日本の登記簿謄本にあたる海外の公的な証明、現地の公的機関で承認してもらった役員の署名、身分証明書 etc、、、
さらにそれらすべての日本語訳。これらの書類が必要となります。
ほとんどが一度きりとはいえ、結構面倒な手続きとなります。
次回は支店と子会社を比較したいと思います。