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Others2024.08.15 【リクルート】あなたに合う会計事務所の選び方~就職・転職について~

『彼を知り己を知れば百戦殆うからず。』

 

何事も「相手」を知り、「自分」を知ることで物事に当たれば安心であることを表しています。

税理士試験にも言えることで、先日受験科目に関するブログを書かせて頂きました。

 

【リクルート】あなたに合う受験科目の選び方~税理士試験~

 

今回は会計事務所の就職、転職についてブログにしたいと思います。

 

就職される会計事務所によってあなたの人生は大きく変わる、私はそう思います。今まさしく就職先・転職先について検討されているあなたは、人生の岐路に立っていると言っても過言ではありません。

 

それぐらい、一口に「会計事務所」「税理士事務所」「税理士法人」と言っても、その実態は千差万別です。

 

どのような事務所が存在し(彼を知り)、あなたご自身がどうしたいのかを改めて確認する(己を知る)ことで、あなたにとってベストな就職先・転職先選択をして頂ければ、同じ業界にいる一税理士として嬉しい限りです。

 

それではまずどのようなタイプの会計事務所があるのか、確認してみましょう。

 

 

1.会計事務所を知る(彼を知る)


 

以下はどちらが良い悪いではなく、あくまで特徴を捉える上での視点とお考え下さい。

 

(1)専門特化している事務所かどうか

会計事務所には「相続税特化」や「医業特化」型の事務所が存在します。

後ほど述べますが、ご自身がしたいことが定まっている場合は、そのしたいことに特化している事務所を選ぶ価値が高いと言えます。

特化型事務所はその分野に精通している専門家がいるケースが多く、またその分野の取扱い件数が多いため事務所にノウハウが蓄積されていることが期待できます。

個人的には、会計事務所での就業経験がある方が、仕事を通してやりたい事が明確になった場合に、そのやりたい事に即した特化型事務所へ転職されることで上手くいくように思います。一方で、この業界で働くのは初めてで、受験科目とマッチするからとの理由で特化型の事務所に行くと「思っていたのと違う、、」とギャップを感じるケースもあるように思います。

 

特化型事務所と少し違う形で「特定かつ複数の得意分野を持つ事務所」もあります。この得意分野は事務所によってその濃淡が大きく異なりますので、どの程度本気の得意分野なのかは面接時等に質問を通して推測する必要があります。

「特定かつ複数の得意分野を持つ事務所」は、仕事を通してやりたい仕事を見つけたい方に向いているように感じます。

 

この点はコーポレートサイトを確認するとある程度分かりますが、コーポレートサイトはリクルートより営業活動に主眼を置いて作っているケースもあるため、どの程度特化しているのか、得意分野については具体的にどのような活動をしているのかについて面接で質問されるのがベストです。

 

(2)残業について管理的か自主裁量的か

残業に対する考え方も事務所の特色が出てきます。

残業について自主裁量的とは、自己判断で残業できる環境の事務所を指します。このタイプの事務所は、ご自身を律することが出来るストイックな方や、近い将来独立を希望されるような方に向いていると思います。

お仕事しながら税理士試験を受験されている方にとっては、残業し放題の事務所より管理的な事務所の方が勉強時間確保の観点から、好ましいと個人的には思います。

 

この点は、実際に勤務されている方の残業状況をカジュアル面談で先輩社員に聞いて見るか、面接時に直接状況をヒアリングすることで確認可能です。

 

(3)家族経営か否か

「税理士法人」は社員税理士が2名以上いれば設立できる法人です。

ここで言う「社員」は一般の株式会社における「取締役」に該当します。

よって、例えば親子二代で事務所設立を行う場合も税理士法人設立は可能となります。

 

家族経営の事務所の強みは、例えば社員が親子の場合、親から子へ円滑な事業承継が見込まれる点です(一般的に創業者がパワフルであるケースが多いので承継するのも一筋縄ではいきませんが)。一方で、親族以外の方が代表者になりづらいケースもありますので、どのような経営方針なのかを面接で確認することが大事だと思います。

 

この点は面接時にご親族以外の方に質問することが出来れば雰囲気等を聞いてみるのが有効だと思います。

 

(4)責任者の後継者がいるかどうか

このテーマは現在の責任者があと10年ほどで引退が想定される場合(現年齢が55~60歳程度)に、後継者がいるかどうか、です。

これはクライアントが安心して顧問を委任出来るかどうかにも関わってきます。

ご存知かも知れませんが、会計事務所間でのM&Aが増えてきているそうです。これは事務所内で後継者がいないケースが増えてきていることを表していると言えます。

 

ご自身が後継者に名乗りを上げよう、と考えておられる方にとっては「後継者が不在の事務所」は却ってチャンスかも知れませんね。一方で、ご自身が後継者になることは想定しておられない場合、例えば事務所がM&Aにより吸収されれば事務所の運営方針が突如変わることも想定され、将来的な不確実性が高いと言えると思います。

 

この点は確認しづらいかも知れません。就職・転職エージェントを利用される方は、エージェントに問い合わせが良いかなと思います。複数回面接がある場合は、(責任者面接ではないと思われる)初期面接時に面接官に聞いて見る方法も考えられます。

 

(5)リモート勤務対応の事務所か否か

コロナ禍でリモート勤務(在宅勤務)が世の中に広がりました。

今もフルリモート勤務が認められている事務所から、許可制の事務所、またはリモート対応していない事務所など様々です。経験豊富で事務所に縛られずに自由にお仕事したい方はフルリモート勤務出来る事務所が魅力的だと思います。またご自身の事情により時間に融通がきくほうが良い場合はリモート勤務対応していない事務所は難しいかも知れません。

このあたりは求人票から読み取れるかも知れませんが、実際に勤務されている方の状況も含めて面接にて確認するのがベターです。

フルリモート又はリモート許可の事務所については実績を面接で聞いて見るのが良いかと思います。

 

如何でしょうか。私見ですが会計事務所を選ぶポイントを列挙してみました。

各項目共通のポイントは、リクルートサイトやコーポレートサイトの情報だけを信じるのではなく「面接で実際に質問してみる」ことです。

今は面接前にカジュアル面談をオンライン等で開催している事務所が多いと思いますので、まずは話を聞いてみてからご自身で相手(会計事務所)を分析することが大事です。

 

 

2.ご自身を知る(己を知る)


 

次に「ご自身を知る」ことについて触れたいと思います。前段が長くなりすぎたので簡潔にいきます。

ポイントは「ご自身がどうしたいのか?」につきます。それを考える上で重要になるのが下記三点です。

 

(1)将来的にやりたいことがあるか否か

税理士として(又は会計事務所スタッフとして)、将来やりたい仕事のイメージはありますか?

将来やりたい仕事の具体的なイメージがある方は、その業務に専門特化した、又は強みとして持つ事務所を選ぶことになりますが、その対象となり得る事務所も非常に多いことが想定されます。

その場合に、事務所の規模だけではなく、前段でお話しした事務所のタイプ等も分析した上で、ご自身に合う事務所を選ぶべきだと思います。

 

現時点で将来やりたい仕事の具体的なイメージが湧かない場合は、専門特化した事務所より、いくつかの項目を得意とした事務所や、ご自身と同世代の方がいる事務所、又はある程度教育制度が整った事務所が向いていると思います。

 

(2)ライフプランはどうか

何歳までに資格を取って、何歳までに○○業務が出来るようになり、何歳まで独立して(又は税理士法人のパートナーに就任して)、、等のライフプランを作ることは重要だと思います。ライフプランは目標と考えても良いです。

特に資格取得ですが、残業時間が多いと勉強時間が圧縮されるため合格への道がよりハードになります。資格取得を優先するのか、実力を付けるのを優先するのかによって事務所選びは変わってきます。

資格取得を目指すならば、実務能力拡充より資格の早期取得に力を入れて、資格取得したら実務の勉強をしながら実務能力拡充を図る方がより効率的だと私は思います。資格取得して始めて生まれる責任感があり、それが実務能力拡充に深く影響すると考えるからです。

 

(3)ご自身の強みと弱み

どんなお仕事をする上でも同じですが、ご自身の強みと弱みを再確認することも大事です。

ご自身の強みを生かすことが出来、またその事務所に属することで弱みをカバーする事が出来ればベターです。

例えば会計処理は得意だけれどクライアント対応は苦手な場合、所内業務だけを任される職域がある事務所の方が安心して働けるでしょう。

又は、人に教えるのが得意な方は教育部署がある事務所の方が合っていると言えます。

時代により流れがありますが、今は就職者・転職者が会計事務所を選ぶことが出来る時代です。働く環境を選ぶ前に、まずご自身を知ることでミスマッチを避けて頂きたいと思います。

 

 

3.あすか税理士法人のご紹介


 

最後に、私たちの事務所をご紹介させて下さい。「1.会計事務所を知る(彼を知る)」の項目に沿って説明させて頂きます。

 

(1)専門特化している事務所かどうか

私たちは専門特化はしておりません。クライアントのニーズは多岐にわたり、そのニーズに長年応えてきた為、オールラウンドに対応する事務所です。

ただ、「国際税務」に関するご相談取扱い件数は非常に多いと言えます。つまり国際税務を得意分野とする会計事務所です。これは創業パートナーの谷本氏がかなり以前から多くのブログを執筆されたことからスタートしています。

現パートナーがその遺志を引き継いで業務に当たっているため情報が集まりやすく、国際税務だけのセカンドオピニオン等も受任しています。

また国際税務だけではなく、企業の経営をサポートすべく計画書を共に作ったり、事業承継について積極的に話を持ちかけサポートすることも強みとしています。

 

(2)残業について管理的か自主裁量的か

残業に関しては管理的な事務所です。事前にパートナーに残業申請し、その申請内容を検討して承認されて始めて残業となりますが、残業の上限時間が限られています。また土日勤務はありません。

資格勉強する上で勉強時間の確保は重要ですし、ワークライフバランスを考える上でも過度な労働にならないよう業務効率向上を図るべきだと考えています(業務効率向上はまだ途上で果てはありません、、)。

 

(3)家族経営か否か

私たちは家族経営ではありません。創業者2名がそもそも親族関係になく、現在は創業者2名が引退され、私と街有帆税理士の2名で現在運営していますが、創業者・私たち2名の全てが親族関係にありません。私と街税理士はスタッフとして入社、在職中に科目合格を進めて税理士登録し、パートナー就任しています。

 

(4)責任者の後継者がいるかどうか

私が40代、街税理士が30代でまだ確定的な後継者はいません。創業者が税理士法人化したのは「担当税理士が退任した後でクライアントが困らないように」との想いでした。有言実行で創業者は私や街税理士にクライアントを引き継いで下さいました。私たちも次の世代に繋ぐべく日々指導に当たっています。

 

(5)リモート勤務対応の事務所か否か

リモート勤務出来る環境は整えていますので、ご家庭の事情等を加味してリモート勤務して頂くことがあります。ただし、「人を育てる」「事務所の一体感を維持する」「問題点を見過ごさない」ことを目的としてリモート勤務は例外的に認める措置に留めています。

 

 

今回は会計事務所の選び方についてブログにしてみました。

様々な選び方があると思いますが、しっかり分析することが大切だと思います。

本当に働く環境は大事です。あなたの人生が変わります。

私たちのことがもっと知りたい!と思って下さった方は是非カジュアル面談を申し込み頂ければ嬉しいです。私にもあなたのことを教えて下さい。

カジュアル面談の申し込みは、リクルートサイトのエントリーシート の「その他」欄にカジュアル面談希望と記載頂ければ当方より連絡させて頂きます。

 

このお仕事を引退するときに「良かった」と思える環境で働けていることを心から願っています。

 

 

あすか税理士法人

【国際税務・国内税務担当】高田和俊

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